「ドローンに必要な部品がない!!」
先日参加したメイカーフェア東京2018では、こんなことがありました。
展示しているとき、一日目の夕方だったかと思います。
ものすごく焦った顔をしたお兄さんがブースにお越しになったんです。
お兄さん「この会場内で、私の3Dデータを3Dプリントしてくれる人を探してまわっているんですが、なかなかいなくて。今、スタートアップウィークエンドというイベントでものづくり・アイデアを競っていて、明日の発表時間までに、ドローンを完成させなくてはならなくて。ジョイントの部品だけがないんです。ほかの材料はなんとか手配しましたが、ジョイントは3Dプリントしかないと思って。」
僕「その発表時間って何時ですか?」
お兄さん「明日の17時です」
僕「(いま、すでに17時ということは、残り24時間で部品手配したいってことか・・・)」
って顔をしてると、
お兄さん「組み立てと動作確認があるので、明日の朝、会場のオープン時には欲しいんですよ」
僕「(ということは、残り12時間もないやんけ・・・)ここは3Dプリンターを自作するコミュニティで、自分たちで作った3Dプリンターの展示です、が、リーダー機はプリント中、サブリーダー機は調整中、私のプリンタは今組み立て中なんです。しかも、19時に展示会終了したら電源落とされるらしいので、会場でのプリント手配は難しいと思いますが・・・私の家には3Dプリンターがありますので、もし、私が今日データ預かって、帰って、明日朝プリントしたものを持ってくれば間に合いますか?」
お兄さん「お願いします!!」
ということで、データをお預かりしました。よくよく話を聞いたら、お兄さん、このイベントのために九州からお越しになったそう。デザイナー、3Dプリンターアドバイザ等してらっしゃって、ご自身も3Dプリンター何台か持っているとか。でも、イベント会場には普通3Dプリンターを持参しませんからね。
帰宅後、自宅でさっそく3Dプリントしました。ジョイントのパーツってことは組み立て中の破損とか怖いなと思いつつ、指定の数プラスアルファをプリントしました。プリント時間は正味、5時間位ですかね。
翌朝、無事お渡しができました。夕方の発表会でも間に合ったみたいで、通りがかった時、2日間で組み上げたドローンが完成していました。空中をふわふわするのではなく、ガイドラインに沿ってぴょんぴょん飛び跳ねる仕様だそうです。
写真手前の青いプラスチック部品が、今回の3Dプリント部品。
パーソナル3Dプリンターがあることの便利さ、パーソナル3Dプリンターならではの問題解決ってこういうところだよなーとつくづく感じた出来事です。
3Dデータを作れて、3Dプリンターがあれば、ある程度の強度が必要な部品を即席で作れて、イベント会場だろうがどこだろうが目的のものを完成させることができるんです。もちろん、数や目的物のサイズによって、一定の時間は必要ですが、それでも「すぐに形にできる」というのは、やっぱりおもしろい。私対外的にヨーヨーばっかり作っている印象を持たれてると思うんですが、こういう3Dプリンター活用みたいなことをもっとたくさんしていきたいですね。
3Dプリンターは据え置きで使うもの、という常識があります。しかしながら、私が作成中のFoldarapなら、持って運んで出先ですぐプリントできる、という状態を目指しています。「3Dプリンターを持ち運ぶ」これはこれで価値あるな、と。
YOYOMAKERとしての活動に加えて、3Dプリンター活用の普及、に力を入れていきたいと心新たにしたイベントでした。