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思い出を立体にして残す意味、「ネネ」の積層写真

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思い出を立体にして残す意味、「ネネ」の積層写真

制作時期:2024年1月ごろ

エピソード

僕が幼少の頃、親戚の家で飼われていたのが、この写真の「ネネ」です。

生まれてすぐのころに僕は何度かその親戚宅に預けられていた時期があるのですが、そのときに面倒を見てくれた雌のワンちゃんで、犬種は雑種。

まだ子犬のころに旅行で行った先の海岸に捨てられていて、必死に車について来るのを叔父も叔母も見過ごせなく、連れて返ってきたと聞いています。

1歳くらいの僕と、おそらく3〜4歳くらいのネネです。写真をもらう機会があり、これはと思ってスキャンしておいたんですね。

叔母も叔父も、僕が泣いたりおむつが汚れたりするとすぐに駆け寄って様子を見ていたというエピソードを懐かしそうにいつも語ってくれました。小学生になって遊びに行くと、もうドアの向こうで待っていて開けるとすぐに駆け寄ってくる。なんだかお姉さんのようなお母さんのような、ネネさんは僕にとってはそんな存在です。残念なことにすでに虹の橋を渡っていますが、19年の大往生でした。

この写真をもとに、3Dプリンタで積層させたのがトップに載せた白黒の積層写真になります。

使用したフィラメントの構成

ホワイト、薄いブラウン、薄いグレー、ブラックの4色です。4本ともPLAです。

フィラメントのメーカーやブランドはほとんど把握しておらず、ソフトウェアの操作も手探りだったので、とにかくわかりやすくモノクロ的に積層写真を作っていこう、と思って取り組んでいたときの1枚です。

時期的に、プリンタはPrusaMK3SとMMU2.0の組み合わせですね。

後日譚

昨年、叔父が他界しました。

その数ヶ月前、入院しているときにお見舞いでこれを1枚手渡ししていたんですが、最後の瞬間、叔母に言ってこの3Dプリントされた積層写真を手繰り寄せ、胸に抱いたまま逝ったと聞きました。

先に行っているネネに対する、叔父なりの祈りがあったのかもしれません。

僕としてはもらったときに「せっかくだからスキャンしとこ!」と軽い気持ちでデータ化した2枚の写真です、データバンザイの時代ですよ。

このソフトウェアがあるならいっちょ積層して現物化してみるか、できたから渡すか、というものの、ひとつでしかなかった。

でも、写真1枚が手元にあること、あるいは3Dプリントでかたちになっていることが、その瞬間に人が想いを込める媒体になるのかと火葬場で聞いて気づいた。叔父の棺には、元の写真を入れました。

今でも僕がこの表現方法に取り組んでいる、原点のような体験でした。

  • この記事を書いた人

東方秀樹

3Dプリンタを用いた最終製品開発、試作支援を手掛けるYOYOMAKER代表。ヨーヨー競技用ツール「CandyDice」で累計1万個以上の量産出荷実績を持つほか、中小企業の開発プロセスアドバイザーとしてDfAM(付加製造特化設計)や3Dプリンタの導入、運用支援を行っています。当HP記事、YouTubeで実践的な技術ノウハウを発信。Xアカウントは日常の発信も含みます。

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